鬼追式(おにおいしき)とは、毎年1月第3日曜日に斎行されている、厄除、商工業の発展を祈願する、大宮八幡宮、月輪寺共催の神仏習合のお祭り行事です。
鬼といえば、赤と青の鬼が多いようですが、この鬼追式で舞う鬼は赤と”黒”。
鬼といえば、節分の豆まきで鬼を追い払うように、悪の象徴とされていますが
古い伝説に、その昔、善魂の赤鬼と黒鬼が、同族の無分別な非行振りを憂い、時の神と佛に心情を訴えました。神佛はその心情を汲み方策を与え、赤鬼と黒鬼は早速神佛の示した通りに松明を作り、大宮八幡宮の御燈明の火を松明に移してこれを振りかざし、荒れ回る鬼たちを鎮め、食豊かな春爛漫な平和が舞い戻った、とあります。
一見すると怖い顔立ちですが、鬼追式で舞う鬼たちはこの伝説に出てくる善魂の鬼たちです。
赤鬼と黒鬼が御神火をうつした松明を振りかざして悪い鬼を追い払ったように、赤鬼黒鬼たちが松明を振りかざし、悪い気を祓い除けます。
桜の枝を持った鬼が舞ったり、餅をついたりするのも
食物の豊穣、平和を祈念する意味があります。
古くは江戸時代初期より続き、昭和11年まで毎年厳修されていましたが、戦争の激化等の諸事情により一時途絶える事となります。
しかしながら、この古くから残る類稀な伝統行事を何とか復興させたいと、鬼追保存会が結成されました。
以来昭和38年より毎年1月第3日曜日に行事を厳修し、現在に至るそうです。
鬼追保存会は、去る平成25年には結成50周年を迎え、現在まで残る鬼面に加え新たに4つの鬼面が新調され、三木市内の巡行行事も執り行われました。
今年は1月18日(日)に斎行され、計3回(午前10時30分、午後1時、午後3時)鬼たちによる舞が奉納されます。
非常に多くの参拝者が訪れ、境内は大変賑わっておりました。また当日は境内参道沿いに露店が並び、鬼追保存会より授与品として鬼の松明に木札を付けたお守りや、うどんやぜんざい、甘酒の授与もございます。
この記事をお読み頂いた皆様もよろしければ是非、当鬼追式へお越しください。
次回は明後日の2月3日、節分の日に行われます節分祭について記事を書きたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。